動物管理事務所(保健所)からの譲渡 

動物管理事務所(=動管)には、ほんとにたくさんの子が、あなたの暖かい手を待っています。

尼崎市のように里親募集をしている動管がある一方、市によっては譲渡システムがない所も

あるそうですが、一つの命でも助けたいと思われる方は、一度問い合わせてみてはいかがで

しょうか。里親募集イベントのようなものが催される所もあるようです。

動管で里親募集をしてもらえるのは、ほんの一握りの動物たちだけです。人間に慣れている子

だけです。その中でも、里親が決まるのは、ごくごく一部だそうです。人にも慣れず、人には慣れ

ていても里親が見つからなければ、炭酸ガスで、窒息死させられるのです。「安楽死」なんか

じゃありません。苦しみもがきながら殺されていきます。それでも息が切れずに苦しんだまま

生きたまま、焼却炉へ入れられる子たちもいるそうです。

目をそらすのは恐いくらい簡単ですが、人間の身勝手で殺されていくのです。

一つでも多くの命が助かって、動物たちと幸せに共存できる日が来ることを願わずにいられません。

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正直なところ、最初は、動管から譲渡してもらうことをとても悩みました。動管には、助けを求めて

いる子がたくさんいて、こうして迷っている間にも、処分されているんだってことは、頭ではわかって

いたのですが。でも、いざとなると、不安でいっぱいになりました。ちょうど実家で飼っていた愛犬が

腎盂腎炎という病気で亡くなった後だった為、彼女の苦しむ姿が目に焼き付いて離れず、

私自身も神経質になっていました。譲渡してもらった猫に、もしも持病があったら…という不安ばかり

が先行して、動管へ問い合わせる事さえも躊躇していました。

そんなとき、偶然にも地元情報誌に動管の里親募集広告をみつけました。私の中で「電話しなく

ちゃいけない」という、何かに突き動かされたような気持ちが沸いてきて、そのボランティアの方に

問い合わせました。彼女には、正直に自分の不安な気持ちを話しましたが、「これも、縁のもんよ」

という彼女の一言で、ハッとしました。

死ぬまで一緒にいるんだから、いろんな事があるのが当然なのに、また自分が辛い想いをする

事ばかり恐れていたんだって気付きました。懐かなくても、持病があっても、縁があって出会った

命は、何があっても大切にしたい、そんな気持ちでいっぱいになりました。

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譲渡してもらうにあたっては、口頭での面接、動物が飼える環境にあるか住居のチェック、

動管の獣医さんとの面接・・と、何段階かの審査がありましたが、面倒くさいなんてとんでもない!

これ以上、収容された動物たちに辛い想いをさせたくない、というボランティアの人たちの熱意が

ひしひしと伝わってきて、頭が下がる想いでした。

動管へ行くと、獣医師の先生たちがいらっしゃって、飼い方や注意する事など、いろいろと親切に

教えてくださいました。その後、動物たちが収容されている小部屋へ行くと、小さいケージが

ずらっと所狭しと並べられていました。

とても寂しい目をした犬や猫たちがいて、私たちが部屋に入ると、いっせいに鳴き始めました。

最初から、女の子の猫が希望だったのですが、そのときにいた唯一の女の子がポーでした。

ケージから出されると不安になったのか、大きな声で鳴きながら、抱っこされるのを嫌がりました。

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ポーを家へ連れて帰ると、びくびくしながら、家の中をチェックしてまわりました。

私が一番気にしていたトイレも「ここでするんだよ」と一度言っただけで、ちゃんと覚えてくれ、

ちょっと落ち着くと、私のひざの上へ乗って来てゴロゴロと喉を鳴らしながら眠っていました。

来た日は、緊張や不安からかご飯を食べずにいましたが、窓から入ってくるおひさまの光を

気持ち良さそうに浴びているポーを見ていたら、私まで心がぽかぽかしてきました。

ポーと出会えてほんとに良かった、すごく幸せです。

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